scriviamo! 2015 参加作品

昨年もギリ、そして今年もギリ、ギリギリ投稿いい加減ヤメロ自分>< て思いつつも今年もスミマセン!!
ブロとも八少女さんのブログで、毎年開催されている「scriviamo! 2015」への参加作品です。(作品かなこれでも・・・)
昨年は大好きな大道芸人たちを題材にしたイラストを投稿してみましたが、今年は勝手にコラボを(笑) やってみました。
以前我が家のキュッリッキさんとフェンリルを大道芸人たちの番外編にお招きしてもらったことがあって、ウチの【片翼の召喚士】を読んでいなくても、謎の登場人物として読める工夫をしてくださっていたので、そういう登場のさせ方いいな、と思ったので真似てみました(笑)
現在八少女さんのブログで連載中の「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」に登場の主人公マックス・テオフィロスと、我が家の【片翼の召喚士】に登場のクマ男ことガエルとのコラボです(・ω・)☆
ただ【片翼の召喚士】を読んでいなくても、マックスが森の中で謎のクマ男に出会った、程度の認識で読めるようにしてあります。たぶん?w
童話絵本風に、ヴァルト画伯に挿画を頑張ってもらいました!w
※ALCHERA-片翼の召喚士-は、現在は改題して片翼の召喚士となっています。詳細は片翼の召喚士:総合目次で!
ある日、森の中

《シルヴァ》を旅していたマックス・テオフィロスは、あまりにも奇妙なソレに対し、恐怖よりも好奇心を掻き立てられていた。
ソレはクマだった。どこからどう見てもクマの頭部を持つが、首から下はどう見ても人間だ。筋肉質の身体に洋服を着ている。遠い東の国のようなデザインに見えなくもない。
しかし何故クマが人間のような身体をしていて服を着て《シルヴァ》にいるのか。
人間の言葉が通じるか謎だったが、とりあえずマックスはグランドロン語で話しかけてみた。
「君は、何者だい? ここで何をしているのかな?」
「何で俺は森の中にいる? イララクスに森なんてあったのか?」
クマ男の言葉をマックスは理解していた。そしてマックスの言葉は通じているのだろうか。

察するに迷子? マックスは質問を続けた。
「迷子になったのかな? どこへ行こうとしていたんだい?」
するとクマ男はマックスをまじまじと見つめると、やがて、
「近所の蜂蜜屋に行こうとしていたんだが、森の中にいる。何が何だか意味が判らん」
マックスも意味不明だった。だが、クマ男が住んでいるところの近所へ買い物に出かけてきたつもりだったようだ。それだけは理解した。
未開の場所も多い《シルヴァ》なら、人間のようなクマが住んでいてもおかしくないかもしれない。
いきなり襲いかかってこないあたり、知能はありそうだし、言語は理解し話すこともできる。
少し寄り道をしてもいいかもしれない。
「蜂蜜屋、いっしょに探してみよう」
そう言って笑いかけると、クマ男は少し逡巡していたが、やがて小さく頷いた。
暫く歩き回っていると、どこからどう見ても怪しすぎるナニカに行き当った。

毒々しさ漂うキノコを模した建物? のような前に、お粗末な木のテーブルみたいな上に蜂蜜が入った大瓶が並んでいる。
もしやこれが蜂蜜屋?
「おお、こんなところにあったのか」
クマ男が嬉しそうな声をあげた。やっぱりこれが蜂蜜屋なのか、とマックスはどこか遠い目で目の前の現実を見ていた。
「オヤジ、いつもの蜂蜜特大を5本頼む」
「ヘイまいど~!」
「それにしてもなんでこんな森の中に店を持ってきたんだ?」

「それがよぉ、目が覚めたらここにいたんだ。なんの冗談か途方に暮れたが、とりあえず店を出してみた。お前さんが買いに来てくれてよかったよ」
背の小さなクマが朗らかに特大サイズの大瓶入り蜂蜜をクマ男に渡す。
「世話になったな。無事蜂蜜が買えた」
クマ男は強面に小さな笑顔を浮かべ、大の男でも全部を持つのは無理そうな特大サイズの大瓶蜂蜜を軽々と腕に抱え、もときた方向へ歩いて行ってしまった。
マックスが声をかける間もなく、クマ男の姿は森の中に消えていった。
無事蜂蜜が買えたようだしいいか、とマックスは思うと、ちょっと甘い蜂蜜を小瓶で買おうと振り向いて呆気にとられた。

毒々しいキノコハウスも背の低いクマも消えていたからだ。
おしまい
★八少女さんが、このお話の続きになるコラボ作品を書いてくださいました(^ω^) 今度はライオン傭兵団もぞろぞろと登場してマックスと共演です!w ⇒【森の詩 Cantum Silvae 外伝 マックス、ライオン傭兵団に応募する- Featuring「ALCHERA-片翼の召喚士-」】
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