【小説】眠りの果てに 第四話:伯爵様との対面

眠りの果てに
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 伯爵が帰ってくる当日、出迎えるため城中大騒ぎに包まれていた。使用人たちがバタバタ走り回り、バトラーのドラホスラフも、ハウスキーパーのアネシュカも、使用人たちへの指示でてんてこ舞いの有様だ。

 自室で身支度を整え、パヴリーナとクローデットと一緒に待機しているインドラも、心の中がドキドキでパンクしそうになっていた。

「伯爵はとても厳格な方です。あまり笑顔を見せることはありませんが、怖がらずに、堂々とご挨拶なさいませ」

 パヴリーナは励ましているつもりだが、それでは余計怖がらせているだけでは、とクローデットは思ったが黙っていた。とうのインドラは、椅子に座り、ぎゅっと膝のドレスを掴んで緊張で硬直している。

 やがて部屋の扉がノックされ、メイドの一人が伯爵の帰宅を告げた。

「お嬢様、参りましょう」

 若干上ずった声でパヴリーナが促すと、ぎこちない動作でインドラは立ち上がった。