【小説】片翼の召喚士-episode044

chapter-2.ナルバ山の遺跡編
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ナルバ山の遺跡編-episode044 【片翼の召喚士】

 そういえば、何も説明していなかったことを思い出す。

「うンと、小鳥の頭を、指で3回、そっと叩いてあげると通信モードになって、こっちの赤い小鳥の聴いてることを、そのまま伝えてくれるの。ベルトルドさんの方も、言っていることをこっちの子が伝えてくれるよ。通信を切りたい時も、同じように3回叩いてあげて」

「ふむふむ。便利ですねえ、見た目は小鳥なのに。ルーファス」

「うん、ベルトルド様に伝えたよ」

 サイ《超能力》を使えるルーファスが、キュッリッキの言葉をそのまま念話で送信した。

 カーティスは人差し指で、肩に乗る赤い小鳥の頭を、そっと3回叩いてみる。すると、それまで肩の上で時折跳ねたりしていた小鳥が、ピタリと動きを止めて、嘴をパカッと開いた。

〈俺の声が聴こえるか?〉

 突然、小鳥がベルトルドの声を吐き出して、カーティスとルーファスはビクッと身体を仰け反らせた。

「ちゃんと聴こえるよ~、ベルトルドさん」

 二人に代わってキュッリッキが応じると、ベルトルドの嬉しそうな声が返ってきた。

〈リッキー! これでいつでも、リッキーと話ができるな!〉

「うん、そうだね」

 ベルトルドが喜んでいるのが判って、キュッリッキも素直に喜んだ。

(ねえねえカーティス、小鳥をこのまま通信モードにして、アジトに入ろうよ。絶対面白いから)

(いいですねえ。たまには皆の本音を、直接聴かせてあげましょうか)

(ウヒヒ)

 ルーファスとカーティスは、ひっそり念話で悪巧みを囁きあった。

 アジトに到着する前にキュッリッキを起こしたり、小鳥の操作を教わったりしていたので、3人がアジトにようやく帰り着いた頃には、すっかり陽が落ちていた。