ライオン傭兵団編-episode013 【片翼の召喚士】
「リッキーいるのかー? リッキー」
ドンドンドン。ドアの叩く音で、キュッリッキは薄らと目を覚ました。
両手で目をゴシゴシ擦り、時計に目を向けると、針は正午を指し示していた。もう一度ドンドンドンとドアを叩く音がして、何だろうと身を起こす。
「リッキー」
「あ、ハドリーだ」
はっきりと目が覚めて、キュッリッキはベッドから飛び降りると、小走りに駆け寄って玄関ドアを開けた。
「おはよー、ハドリー」
「やっと起きたか」
髭面を呆れさせていた男――ハドリーは、やれやれと苦笑した。
「朝方帰ってきてたが、仕事だったのか」
「うん」
「じゃあ何も食ってないだろ? 今から昼飯食べに行くんだが、一緒に行くか?」
「行く行く! 顔洗って着替えるから、下で待ってて」
「オッケイ」
ドアを閉めると、キュッリッキは寝間着かわりのシャツを脱いで、ベッドに放り投げた。
コメント