
痩せたいと思いつつもお菓子を頬張る、とある二十歳の女の子が出くわした謎の事件?なお話。
【掌編】ダイエット戦士ぽっちゃりビューティー誕生
とうとう体重も80キロを突破、アタシこのままじゃ100キロ突破とか夢じゃなくなっちゃう!!
そうは思いつつも、ついつい食べちゃうのよネ……美味しいわコンソメ味のポテトチップス。
ため息こぼしながらも、袋に伸びる手は止まらず。ああ…意志が弱いんだわ。
食事療法、エクササイズ、運動、断食なんでもやってみたわ。でもでも、苦労するだけ、お金が飛んでいくだけ、1キロ2キロ落ちたってすぐもどってるし!
あーあ、都合よく痩せる薬とかナイかなあ~。
「そんなキミにとっておきのアルバイトがあるよー!!」
「きゃあああ」
なにっ!? いきなり窓から子豚が日本語喋ってあらわれたし!!!
いや、日本語が重要じゃないわ! とか、何セルフツッコミ入れてるのアタシは!
「キミ! 宇宙平和のために戦ってくれないか?」
「う…うちゅー平和?」
「暗黒宇宙の大魔王ヒマンが地球に向けてヒマンダーを送り込んできたんだ!」
「はぁ…」
「キミはこのメタボペンでダイエット戦士ぽっちゃりビューティーに変身して、ご町内にはびこるヒマンダーと戦うんだ!!」
なんか力説してるわ子豚の分際で……。
「てゆーか、アタシもう20歳だし、オトナになってまで豚に代わってお仕置きしてる場合じゃないしぃ…」
否定するのそこじゃないでしょって思いつつも、会話に順応してるアタシって。
「フッ、キミは絶対断れない。何故なら…」
「何故なら?」
「このメタボペンは体脂肪をエネルギー変換して、キミの戦うパワーになってくれる!! 一回使うごとに1キロぶんの体重を必要とする!」
「なっ!! ナンデスッテ!!!!」
「戦うごとにキミの体重は1キロずつ減っていくのさ!! えー…詳しい使い方はこの取扱説明書に詳しく……1年保証で1年以内なら修理費無料です」
なんて……なんて……ナンテ都合良すぎるアイテム!!
これって使うごとに痩せていって、毎日数体ずつ倒せば速攻スリムビューティー!? てことは、憧れのミニスカートだって手の届く距離じゃない!!
や、やるわアタシ!! 戦ってミニスカート堂々と履くのアタシ!!
「是非やらせて子豚さん!」
「ありがとう! 今日からキミは”ぽっちゃりビューティー”だ!!」
-おわり-
初出:2014/02/22
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