【小説】Counter Attack 第一話:自転車に乗る女二人

Counter Attack
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利子
利子

「将来の夢は、無難な顔の、経済的に中の上程度。次男か三男と結婚して、土地付き新築一戸建て庭付きに住んで、子供は二人くらい。年金生活の末、子供と孫に家を追い出され、老人ホームで介護を受けながら老衰で死ぬこと」

由里子
由里子

「………」

利子
利子

って言ったらクラスの連中に、由里姉
(ゆりねえ)
みたいな表情
(かお)
された」


 利子
(としこ)
はふすまにもたれて、つまらなさそうに天井を見上げる。


由里子
由里子

「今を盛りに咲き誇るジョシコーセーが、なんて平々凡々な有り得る将来
(みらい)
像を語るんだか…」


 目覚まし時計の四角い箱をいじりながら、由里子はため息混じりで呟く。


利子
利子

「だってー、取り柄もないあたしが大人になっても、無難な人生歩いていくに決まってるしー」


 両足を畳に投げ出し、ゆっくりと脚を上下させる。


利子
利子

「夢なんて口では色々言えるけど、叶えるとか一部のドリョク家と運に恵まれたやつだけじゃーん。あたしにはどっちもナイしぃ」

由里子
由里子

「まあ、貫き通す意志の強さとか、周囲の支えとか、難しいケドねえ…夢なんてもん」

利子
利子

「でしょー。やっぱー、虚しい思いをするよりも、平々凡々人生を生きたほうが、シアワセってもンだよ」

由里子
由里子

「平々凡々が一番なのは言えるわ。――夢を見て追いかけて挫折してさ…、アタシみたいになるよかな!」


 化粧もしてないすっぴん素顔で、由里子はニカリと笑った。

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